色のグラデーション3

透明水彩は透明ですので、下に置いた色も透けて見える上に、寒色系と暖色系では見え方が違います。
赤に青を置くと少し渋い紫系になりますが、赤に黄色はきれいなオレンジ色になります。

このように、緑や青も研究してみましょう。

次は、混ぜて作る色のグラデーションです。
最近は、わざわざ自分で混ぜなくても、ほとんどの色は単色で買うことができます。
ただほんの少したまにしか使わないチュ―ブの絵の具は硬くなってしまうことがあるので、どうしても欲しい色以外は、その都度作るのも楽しいです。

置いて作る紫と比べることもあり、赤と青をしっかり水も含ませ混ぜて紫を作ってみましょう。
混ぜた時、気をつけたいのは、水を含ませるのを忘れないことです。水彩画はその名の通り水を十分含ませて描きます。ここでは、グラデーションですが。
赤と青の割合はまずは同じ位から始めて、徐々に自分の好きな割合を見つけてください。

混ぜて使う色で一番難しいと思う色は緑です。緑はできるだけ自然に近い色を作りたいので研究は欠かせません。
そこで、緑と黒でモスグリーンを作ってみましよう。ただし、黒は非常に強いので混ぜるのは、ほんの少しづつです。

黒は単色で使ってはダメ、と、昔言われたことがあります。しかし今の時代、何がダメでこれはいい、なんてことはなくなってきた気がします。私は白は使いませんが、黒はメリハリをつけたい時などに使うことがあります。
特に、葉っぱの影などに黒を使うことが多いので、緑と黒の関係は非常に大事になってきます。


色の勉強ばかりでは退屈してしまうかもしれないので、一度静物を描いてみましよう。

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色のグラデーション2

水彩はここで、もう一度最初の四角の赤色を見てみましす。赤色ではなく、薄い赤、ピンク色ですね。
つまり、赤に白を混ぜなくても9つのピンク的な色を作れるのです。
これをしっかり頭にインプットして下さい。
水彩は一度色をおくと消すことができない場合が多いので、考えて、色の計画を立て計算しながら描くことになるからです。

これから自分の持っているすべての色のグラデーションを描いていきます。特に、影でよく使われる黒と青と緑が大事です。
12色のセットの場合、青と緑は必ず2色位入っていますので、分かりやすい濃い色から始めましょう。

透明水彩の場合、色を重ねたらどんな色になるかが大事です。ただし色を重ねる場合、必ず前の色が乾いてから次の色をおくことです。そうしないと色が濁ってしまいます。
濁った色・暗い色・混ぜた色は、透明水彩では全然違う物です。
透明水彩は1度だけ塗るのが原則で、多くても重ね塗りは2、3度で仕上げたいです。
それ以上重ねると、乾いていても色が濁ってしまう時があります。

その違いを学ぶために、先程用意した3つのグラデーションを使います。
どの色から始めるかは自由ですが、ここでは最初の赤色のグラデーションに、青(ウルトラマリン)を置いて見ましょう。
完全に乾いた赤の上に、薄く溶いた青色を最初の四角に置いていきます。
次の四角には、少し濃くして青を置いていきます。この時も、隣が乾いていない時は1㎜開き、同じようにして10個の赤の四角に、だんだん濃くなった青を置いていきます。
また、この逆に濃い青からだんだん薄い青を置いて見ることもできますし、同じ濃さで置いていくこともできます。
本当は全部やるのがベストですが、ここでは次の色に移りましょう。

次は赤色に黄色を置いてみます。黄色は単独では使いずらい色ですが、上に置いたり、混ぜたりすると面白い効果がでます。もちろん周りの色を考慮すれば単独でもきれいな黄色がでます。
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【色のグラデーション】

【色のグラデーション】

まず、透明水彩絵の具を用意します。
最低5原色(赤、青、緑、黄、黒)があれば良いのですが、最初は12色のセットでもかまいません。ただし、セットで買うと白色が付いてきますが、白色は使いません。

紙は画用紙が良いので、普通のスケッチブックを使います。スケッチブックはピンきりですので、自分に合った紙質を探すのが一番です。
私の場合、水彩用の高級な紙は、色が沈んでしまうので、私には合いません。今使っているスケッチブックは5百円位から千5百円位のを用途に応じて使っています。  
ここでは、練習用ですから安い方で十分です。

水彩用筆は最初は丸筆が良いでしょう。筆は乱暴に扱わない限りは、長く持ちしますので、少し良い筆を使っても良いと思います。

最初は鉛筆のグラデーションと同じように2本の線を引き長四角を10個作ります。
絵の具は分かりやすく赤から始めましょう。
赤色をパレットでも皿でもかまいません。ほんの少しだします。その赤色を水をいっぱい含ませた筆で少し取り、別の場所で溶きます。
そうして混ぜると、とても薄い赤色ができます。これをグラデーションの最初の四角に塗ります。


次の四角には、最初の四角に使った水溶き赤色にまた少しだけ赤色を入れて混ぜます。
そうしてできたちょっとだけ最初より濃い赤色を二番目の四角に塗ります。
が、ここで大切なことは、隣の色が乾いていない時は
必ず0.5~1mm 開けて塗っていきます。
この技法は水彩画独特ですが、後々も役に立ちます。
前の色が乾いている時は間をあけなくてもかまいませんが、結構な時間がかかります。
時間に余裕がある時は、前の色が乾いてから次の色を塗りましょう。そうしないと色が濁ってしまいます。

2番目が終わったら、3番目、4番目、5番目と少しずつ濃くして10.番目までいきます。

10番目まで行ったら、目を細めて見てみましょう。きれいな帯状のグラデーションが出来ていたら成功です。
この10のグラデーションをあと3つ描いていきましょう。後で使います。
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【水彩画のすすめ】

【水彩画のすすめ】

水彩画と一口に言っても、現代では、大きく透明水彩と、不透明水彩に分かれます。
ここでは、めんどうな理論は省いて、白を描かず白を見せる透明水彩画を描いていきます。

私が小学校へ行っていたン10年前は紙の中は全部塗るように言われました。
だから、塗らないところを多くとるという手法は、始めからうまく描けたわけではありません。

生徒さん達には、近代的な透明水彩画か、クラシックな不透明水彩画か、聞いてから学んでもらっています。今はもう近代的な透明水彩画を見慣れているので、ほとんどの生徒さんは新しい方を選びます。
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(数年前フランスで描いた透明水彩画)

消すだけ消したら、今度は仕上げの線で、白いところをまた描いていきます。デッサンの世界は、世の中に真っ白はない、と言う考えが一般的です。しかも、描かなければ消せないので、描いては消すの繰返しになります。そこで作品の深みを出していきます。

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(仕上がると影のバリエーションが自然にきれいに見えます。)

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(葉っぱは薄さを出して描き仕上げます。)

ここまで描いてくると縦線がじゃまになってくるので、縦線を気にせず、45度線だけを気にして描き混んでいきます。その時、仕上げに練り消しゴムを使うので、白いところも残しません。
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さあ、ここで、練り消しゴムの出番です。
練り消しゴムは、消しカスが出ないので、柔らかいので細くして細かいところも消して行けます。
デッサンの時に使う消しゴムは、白を描いて行くような感覚です。
ですから、白いと思うところは思いきって消して行けます。大きく違っている線もここで消して調整してかまいません。
真っ黒い影の隣も白いので、そこも消していきます。f:id:ritakahashi44:20190924234731j:plain]

植木鉢を見やすいところに置き、スケールを通し始めのうちは、10~15分じっくり見ながら中心を探します。もちろん葉っぱの先から鉢の影まで、きっちりスケールの中に入らなければいけません。
中心が決まったら、その中心から鉢の底はどこか決めます。底の両端も決めます。
決めたら、クロッキー帳の上に鉛筆で点でしるしを付けます。
次は鉢の一番上を決めて両端を決めて点を付けます。小さなバッテンでもかまいませんが、付けるのはあくまで点だけです。長い線などを付けるとどうしてもその線に目が引っ張られがちになります。

鉢の位置を決めたら、次は植物です。
葉っぱは柔らかで形も不揃いですので、左右対象をさほど意識しなくてもかまいません。
茎の位置と葉っぱの位置に点を付けていきましょう。
すべての葉っぱも中心からどのくらいの位置か決めるのと同時に用紙の上からの位置も確かめます。

点ばかりあって分かりにくくなったら、点を小さなバッテンにしてもかまいません。



これから点を線で結んでいきます。
もちろん対象物も見ながらですが、点から点まで曲がってもかまいませんから鉛筆を離さないで一気に描きます。
これも最初は曲がるのは当たり前、数をこなしすうちに上手くなってきます。

さあ、鉢と植物の線画ができました。
これからがいよいよ先に学んだグラデーションが生きるデッサンです。
鉢とその影のグラデーションを描いていきます。

影は鉢に付いている影のアウトラインだけ描いておきます。
それから、鉢と影に2~3cm位置きに縦線を引いていきます。
縦線を引いてできた長四角にグラデーションを描いていきます。

今回は対象物があるので、その影と光をよく見て、長四角の隣り合わせの影がどちらが暗いか明るいか決めてから斜め45度の角度で描いていきます。
まず、影の方から描きます。そうすると、鉢の周りが暗くなるため、鉢が浮きあがって、鉢が影より暗いか明るいか比べながらグラデーションを描けます。    
初めのうち長四角内は、上から下まで同じ調子で描いていきます。
鉢は丸いので隣り合わせ長四角に変化がありますが、影はあまり変化がありません。それでも縦線を引くのは、長すぎの斜め45度線では、真っ直ぐな線を引くのは難しいからです。
しばらくの間、縦線に頼りましょう。
グラデーションの中であれば多少の点や線の誤差は直しながら描いても支障はありません。
ただ円錐形は端と端が白く、真ん中が暗い場合が多いのでよく見て描きましょう。

縦線のグラデーションがある程度描けたら、縁のある鉢には斜めの影があります。縦線と同じように斜めに線を引き、また、その上からグラデーションを描いていきます。
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